The occurrence of one day. ある日の事だ。 俺の同僚が、最近設立した戦闘部隊の隊長になったと聞いたから、俺はその訓練を観に行った。 無論、手土産は忘れていない。 訓練場に付くと、さっそく同僚に声をかけた。 「やってるな、滝」 「お、じゃねぇか。どうしたんだ?」 「滝が昇格したって言うから、様子を見に来た」 俺は右手に持った手土産を渡した。 「あれ、アンリも一緒?」 「そうよ」 「お疲れ様」 などと話していると、滝が俺の胸倉を掴んだ。 「何をするんだ?」 「お前、何フランスパン持ってきてんだ!?」 「差し入れだ。安心しろ、飲み物とパンナイフとジャムとマーガリンとツナ缶とレタスとトマトも持ってきた」 「・・・・・・」 何でアンリまで微妙な顔するんだ?ちゃんと人数分持ってきたのに。 「隊長、誰ですか?」 いつの間にか、訓練場にいた奴らがやってきた。 何と言うか・・・まあ、個性的なオーラを持った奴ばかりで、アンリが苦労しそうだ。 「こいつは俺の同僚のだ」 「だ。よろしく頼む」 「隊長ー、この人強いんですか?」 「ああ、お前らより強いぞ」 「じゃあ、勝負してくださいよ」 ・・・何故? 「何故俺が君と勝負しなければならないんだ?」 「強いからですよ」 ・・・理由になってない気がするが・・・まあ、滝の顔を立ててやらないとな。 「OK、さっさとはじめようか」 そして、俺達は訓練場の中央に向かい合った。 審判は滝だ。 『戦うからには、全力を尽くせ』 これが礼儀だと教えられた。だから、昔から俺はこれを守ってきた。 「はじめ!」 滝の合図と共に、俺も相手も一気に間合いを詰めた。 相手の詰め方は良いが、幾分隙がありすぎる。 ―――そこを攻めるか。 相手の後ろに回り込み、素早く倒して、腕をありえない方向に曲げた。 「いでででででっっ!!!」 「・・・痛いか」 「当たり前だ!!早く離せ!!」 ・・・痛いといえば、イトコの家とバーベキューを行った時、イトコが包丁で指を切ったな。縫うほどでもなかったが、かなり酷い傷だった。あの傷は今もで残っているらしい。 確か、中学のときの球技大会で相手のタックルをもろに受けた時も痛かったな。相手の鼻血が止まらなかったが。 それから・・・ああ、そうだ。大学の時、自転車にはねられた時も痛かったな。俺はかすり傷ですんだけど、相手の自転車が壊れて、竜介とかにはかなり心配かけたし・・・。 などと考えていると、 ゴギョッ。 という鈍い音が俺の下から聞こえた。 相手は悶えている。 「・・・お前・・・」 「・・・」 滝は顔色を変えて、アンリはこめかみを押さえている。 「・・・・・・・・・あ」 どうやら、力を入れすぎて関節を外してしまったらしい。 「すまない。わざとじゃないんだ」 謝ると 「わざとだったら、殺してるところだ!!」 といわれた。 そうか・・・ 「なら、骨は残してやろう」 『・・・は?』 はもるなよ。 「全力で俺を殺しに掛かるんだったら、俺も全力で相手を殺さない程度に痛めつけないと、相手に失礼じゃないか」 「、お前・・・マジか?」 滝の顔色が悪い。風邪か? 「こんな時に、俺が冗談を言うと思うか?」 「・・・云わないわね」 失礼な。よく冗談言ってるのに(冗談に聞こえないんだよ!by滝和也) 「関節をはめるか。滝、すまないがこいつを抑えてくれ」 「お、おう・・・」 滝に対戦相手を抑えてもらって、外してしまった関節をはめなおす。 ゴギュッ。 「〜〜〜!!!」 関節をはめなおすと、相手は再び悶え始めた。 関節をはめただけで、こんなに泣くものなのだろうか? 「You goddamn slimy pussy,Let make sure you gota pair?」(訳:このフニャフニャの根性無しが、タマついてるのか?) 知り合いのアメリカ海軍に教わった文章を云ってみた。 彼は良くこの表現を使うらしく、海軍では当たり前のようだ。 しかし、俺が言うと、名瀬がその場にいた奴らに全員が詰め寄ってきた。 「お前、何云ってんだよ!?」 「知り合いのアメリカ海軍に教わった文章」 「、貴女、意味分かってる?」 「そのまんまの意味じゃないのか?」 「Mr.、何故そのような言葉を・・・」 「だから教わった」 「きつい事云いますねー」 「そうか?」 ―――と、云う事があって以来、になるべくアメリカ海軍から教わった言葉を使わせないように、全員が全力でその防止に当たった・・・とか。 FBIは、今日も平和である。 END |
後書き
不思議人間・さん視点で主役の話でした。
一度、彼にはアメリカ海軍方式罵り方をやってもらいたかったのでw
のような同僚を持って、滝さんもアンリさんも色々と便利な反面、苦労しますね。
今回の犠牲者(?)はスピリット部隊の方です。の対戦相手は誰なのか、ご自由にご想像下さい。
次は誰が犠牲になる事やら。