そろそろ気づいたらどうかな?


  体調不良の原因は?@


FBI捜査官である滝和也と葛生圭は、いつもの喫茶店で休憩していた。
滝は何度も己の肩を揉み解している。その様子を不審に思った圭が問いかけた。
「滝、肩でもこっているのか?」
「ん?ああ、何か肩がこって仕方ないんだ」
その台詞を聞いた圭は、ああ、と納得して滝に返した。



「滝って、かなり憑いているもんな


しばしの沈黙。


「・・・は?」

ちょっと待て、こいつは何を言った?

自分の耳がおかしくなければ、目の前にいる同僚は『憑いている』と言った。
「・・・おい、何が憑いているんだ?」

「何って、『人間だったモノ』がかなり無数に


・・・・・・・・・・。

滝は落ち着いて、目の前にいる同僚を見る。
この葛生圭という人物は、クールな外見に沿わず、かなりおちゃめな人物だ。だから、きっと自分をからかっているに違いない・・・滝はそう思い、圭の表情を伺う。
圭の表情はいたって真面目で・・・おまけに、視線が何処かずれている・・・。


こいつ、本当に何(何処)を見ているんだ!?


そんな滝の心配をよそに、圭は言葉を続ける。

「前から憑いているのに、何で今頃になって気づくんだ?」

「・・・前から?」

「ああ。大体、滝が日本から帰ってきた辺りからだけど」

日本から帰ってきた=仮面ライダーとショッカーの戦いの終わり。
「ん?何か思い当たる事でもあるのか?」
「・・・いや・・・」
無い・・・はずだ・・・。
少なくとも、滝の記憶する範囲では、憑かれるような事は無かった。

「まあ、早めに祓った方が良いと思うけどな」

圭はそれだけ言うと、テーブルにおいてあるコーヒーを飲み始めた。
滝は滝で、目の前の同僚にある種の恐怖を覚えた・・・とか。

  つづく