On the whole, the world will become dark and will become silent,
if there are not an eye which takes in light,
and an ear which takes in sound.
If an eye and an ear are lost,
light and sound will stop existing in the whole world without the dental nerve to feel a pain,
as there cannot be no dental pain.

   




   The reason of a pain





 ここは、羽田特殊救難隊本部。
 平日の昼休みという事もあって、いつもよりわりと静かである。
 と、いうのも、いつも騒ぎの原因となっている人物がいないからだ。
 佐世保海上保安部からきた、ヒヨコ隊の神林兵悟。
 大きな瞳が印象的で、一途な彼に、心奪われた者は多い・・・らしい(1隊副隊長&高嶺談)。
 彼が何故この場にいないかというと、昔の上司がこちらに来るというので、駅まで迎えに行ったのだ。
 そんなわけで、いつもより静かなのである。
 食事を終えた兵悟を抜かすヒヨコ隊は訓練で疲れたのか机にへばりつき、高嶺と嶋本はコーヒーを片手に談笑、真田は机で黙々と書類を読み、1隊の副隊長は睡眠を貪り、各自思い思いの昼休みを過ごしていた。



 昼休みも残り20分という時、それは起きた。





 ガラッ!!!






「甚っっ!!!!!」




 本部の扉を壊さんばかりの勢いで開けたのは、佐世保海上保安部の坂崎だった。
  高嶺は、この扉は後何年くらい持つのか、などのん気に考えていた。
 彼を迎えに行った兵悟は、何故か坂崎の小脇に抱えられている。
「坂崎か、何の用だ」
「テメェ、ウチの兵悟に何しやがった!!??」
 坂崎は真田の姿を見付けるなり、彼に食って掛かった。
「何の事だ?」
「とぼけんじゃねぇ!!」
 あくまでしらを切る真田(本当に何も知らないのだが)の胸倉を掴みあげた。







「迎えに来た兵悟がな、尻が痛いって言いやがった!お前がやったんだろ!!」






  途端、





 ゴフッ!





 ガタンッ!






 と、物凄い音がした。
 ちなみに、音の正体は、ゴフッ!が嶋本がむせた音、ガタンッ!が盤とかがずり落ちた音である。
「さ、坂崎さん、違いま・・・」
 相変わらず小脇に抱えられた兵悟が慌てて否定する。
  しかし、それが余計煽る結果となってしまうのは明白な事実であるが、彼はまったくその事に気づいていなかった。
「隊長!それはいくらなんでも犯罪ですよ!!」
「俺はまだ何もしていない」
「まだって事は、そのうちやるつもりなのか!!??」
 突っ込むのはそこなのか?
「俺かてまだ兵悟君に手ぇ出しとらんのに!!」
「お前も何問題発言してんだよ!!」
 まったくだ。
「神林が望むのなら、俺はいつでも構わないが?」
 何気にやる気満々な発言だ。
「兵悟はな、俺が蝶よ花よとずーっと見守ってたんだからな!! お前らみたいなのに純潔をやるつもりはないからな!!」
 坂崎のお父さん的発言は、マトモな事を言っていそうだが、かなり突っ込み所が多い気がする




「「「「・・・」」」」




  睨み合う四人。
 冷戦、もとい、一触即発の状態にあり、何かをきっかけに爆発してしまいそうだ。
 巻き込まれたくない隊員は、既に避難を開始している。
 避難していないのは、高嶺と1隊副隊長くらいだ。
 某ファンタジー小説の魔王が裸足で逃げ出しそうなほど、淀み停滞した雰囲気が漂う中、高嶺はコーヒーを片手にその様子を静かに見守り、1隊の副隊長にいたっては、これだけの騒ぎの中で目覚める事無く、机に突っ伏して睡眠を貪っている。
 兵悟は、もしかしたらこの二人が何気に最強じゃないのかなー、と心の片隅で思っていた。


  そのままの状態が5分以上も続いた、その時、







ピピピピピピピピピピピピピピ・・・・・・・!!!!!








  大音量の電子音が鳴り響いた。
「な!?」
 慌てて耳をふさぎ、音の発信源を探す。
  1隊副隊長の机から鳴り響いている、どうやら、ここが発信源のようだ。
「むー・・・」
 緩慢な動きで、顔を上げた1隊副隊長は、鳴り響く電子音―――携帯電話を止めた。
「おはようございます」
「あ。おはよう、高嶺君」
 それを見計らっていたかのように高嶺はコーヒーを差し出すと、彼はそれを受け取る。
  グイーッと珈琲を一気飲みすると、周囲を見回した。
「・・・何やってんの?」
 彼は何が起きていたのか、さっぱり理解していないようだ。



 ・・・本当に起きないんだ。



 兵悟は今更ながら、この1隊副隊長の神経の図太さに驚くと同時に、ある種の尊敬の念を抱いた。
 そして、(表面上は)何事も無かったかのように、各自の仕事が再開された。



 その心に、色んな意味凄い傷残して






 
      END・・・?






 ◆後書き◆
分けの分からないネタで申し訳ないです。
そもそもこのネタを書くきっかけになったのが、『伺か』の会話。
ダミアン:あー、ずーっと椅子に座ってたから、尻イタイわー。
美耳:お尻痛いって、そんな、誰とやおったの!?
コレを聴いた瞬間「つかえるー!!」と思ってしまったわけで。
ちなみに、ここ出てくる1隊副隊長さんは完全なオリキャラです。
ここで、兵悟が何でお尻が痛かったのかというと、坂崎さんを待っている間ずーっと硬い椅子に座っていたからです。